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2009年04月04日

「アホは神の望み」 村上和雄 著 サンマーク出版 




 なんとも、ステキなタイトルです。(笑)

 神様はやっぱり、「アホ」を望んでいたのですね。(・・。)


 この本は、「鋭」より「鈍」、「利口」より「愚直」な生き方こそが、真に幸せな生き方であると説いた本。

 この本の著者である村上和雄先生によると、エジソンやアインシュタイン、また日本で初めてノーベル賞を受賞した中間子理論の湯川秀樹さんなど、本当に優秀な「天才」と呼ばれる人には、さわれば切れるような鋭い人はむしろ少数派で、そういう人たちは、どこか大器晩成型の鈍さをもちあわせた人間が多いのだそうです。

 つまり、すみやかに一直線に解答にたどり着く、そういう秀才的かしこさには欠けていても、大きな回路をたどりながら、根っこからさらうように深くものごとを考える力が人並み外れた人・・。いわば、思考の器が大きい「大鈍才」こそが、世界をひっくり返すような大発見をしたり、大発明を成し遂げたりしている。

 ・・確かに、言われてみると、そうなのかもしれません。

 この「鈍の力」といものを自分の職場で考えてみると、思い当たる節があります。

 例えば、私の職場では、いくつかのチームに分かれて仕事をしているのですが、優秀で切れ者ばかり集まったチームと、マイペースで俗に言う「仕事が遅い」と呼ばれるような人が混ざったチームとでは、生産性や成績に差があるか?というと、実は、ほとんど差がないのです。

 切れ者ばかり集めた、いわゆる、エリートチームは、とにかく、何と言っても人間関係が悪い。

 本人のいないところで相手の悪口の言い合い、いざこざも絶えず、各々が勝手に好き放題仕事をやりだす始末。チームワークはゼロ。

 このチームは、一人一人は優秀なのだけれど、「鋭」と「鋭」との緩衝材となるような人材、つまり、「鈍」な人がいないのです。

 「鋭」の中に「鈍」な人が混ざっているチームは、いつも笑いが絶えず、人間関係が円滑で、チームワークがしっかりとしていて、それでいて、常に結果を出している。

 私のチームにも、いつもマイペースで、上司に何を言われても飄々(ひょうひょう)としていて、でも、着実に与えられた仕事をコツコツこなし、たまに仕事の遅さにイライラすることはあっても、なぜかその人がいるとホッとする。・・そんな人がいます。

 よく考えてみると、その人は、直接ガンガン生産性を上げている「エース」ではないが、ガンガン生産性を上げている「エース」の影に、いつも存在している人。

 決して日が当たる存在ではないけれど、日が当たる存在を、日が当たる「たらしめている」存在。

 こういう人は、一見、「仕事ができない」という烙印を押されがちで、リストラの格好の標的になりやすい人です。

 けれど、実は、その「鈍」な人がいるからこそ、「鋭」な人は、生産性を上げることができたのだ・・とすると、その人をリストラすることによって、人間関係が悪化し、チームがうまく機能しなくなってしまうことだって考えられるのです。

 この「鈍才」というものについて、村上和雄さんは以下のように述べています。

 安っぽくものごとを考えず、早わかりしない。
 鈍で重だが、深く大きく思考する。
 そうした人が遠回りをしながらも確かな成果をあげ、時間はかかるけれど、いちばん遠くまで行くのは、科学の世界に限らず、決して珍しいことではありません。
 格言にもあるとおり、ゆっくり行く人が一番遠くまで行くのです。


 
 ひょっとしたら、「鋭」の人は、「鈍」の人の手のひらの上で踊っている、孫悟空に過ぎないのかもしれません・・。

 とかく、いかに効率よく時間を使うか?いかに早く仕事を終わらせるか?いかにしてライバルに差をつけるか?という方法やスキルが書いてあるビジネス書が圧倒的多数を占める中で、この本は、日が当たらず、仕事ができないという烙印を押されがちな「鈍才」というものの大切さにスポットライトを当てた、大変興味深く、そして、深く考えさせられる一冊でした。

 
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 アホは神の望み

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posted by ビジネス太郎 | Comment(2) | 生き方・人生訓

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この記事へのコメント
なるほど〜。
いいレビューを読ませてもらいました。
「鈍」の力ですね。

あくせくしてしまいがちですけど、
「鈍」の力のことを思うだけでも、
ちょっと気持ちに余裕がでてきそうです。
Posted by ありけん at 2009年04月04日 17:02
ありけん様、コメントくださってありがとうございます。
「鈍」の人がいかにして「鋭」になるか?という本が多い中で、全く逆の発想を行く本書は、頭の中のバランスをとる意味でとても読み応えのある一冊でした。
私もどちらかというと「鈍」なので、ちょっぴり勇気もわきましたね。(笑)
Posted by ありけん様へ:ビジネス太郎 at 2009年04月05日 06:32
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