
決断力 (角川oneテーマ21)
羽生善治さん。
言わずと知れた、将棋界のスーパースター。
中学3年でプロ棋士となり、その後、破竹の勢いでタイトル戦を勝ち抜いていく。
96年に、将棋界の七大タイトル「名人」「竜王」「棋聖」「棋王」「王位」「王座」「王将」を、完全制覇。
「神様に愛された男」「天才棋士」と呼ばれ、将棋界初の1億円プレイヤーとなるなど、「羽生フィーバー」と呼ばれる一大センセーションを巻き起こした方です。
厳しい勝負の世界で、今なおトップ棋士として君臨し続けている羽生善治さん。
その強さの片鱗が、本書によって解き明かされています。
この本で私が一番考えさせられた言葉。
勝負どころではごちゃごちゃ考えるな。単純に、簡単に考えろ!
単純に、簡単に考える??
私は、プロであればあるほど、強ければ強いほど、深く、難解に考えるもの・・という、先入観を持っていました。
でも、羽生善治さんは全く逆のことを言っているのです。
単純に、簡単に・・。
ひょっとしたら、羽生善治さんは、本当の勝負どころでは、”思考を手放せ”と言っているのかもしれません・・。
本書の言葉。
勝負が決定するまで、だいたい百数十手。この中に流れがある。
流れは人為的に支配できるものではない。
対局中にはいろいろなことを考えるが、思ったとおりにはならない。思いがけない展開になってしまう。
流れをつくるよりも、サーフィンのように流れに乗っていく。
波はつくれないが、乗れるかどうかだ。
超一流は、波に逆らわず、波に乗り、流れに身を任せる。
凡人は、波に立ち向かい、波に逆らい、手で必死に水をかきながら、流れに抵抗していく。
大海がつくり出す大いなる波の流れに、勝てるわけがないのに・・。
羽生善治さんの言う「決断力」とは、ひょっとしたら、怖くても、恐ろしくても、打ち寄せる波に抵抗せず、全身のすべてを放りだし、流れに身をゆだねるということ・・なのかもしれません。
そういえば、以前読んだ、「アインシュタインにきいてみよう」(Discover)という本に、アインシュタインのこんな言葉が載っていました。
すべてのものは、わたしたちにはコントロールできない力に支配されています。
それは、星にとっても虫にとっても同じことです。
人間も植物も宇宙の塵もすべて、はるかかなたの演奏者の奏でる神秘的な調べに合わせて踊っているのです。
私たちは、「はるかかなたの演奏者」の側になることはできない。
私たちは、誰も気が付かないのだけれど、「はるかかなたの演奏者」によって、踊らされている。
でも、あるとき、フッと、気が付いた天才がいた。
この神秘的な調べは、誰が奏でているのだろう?と・・。
羽生さんの言う「流れ」「波」というものと、アインシュタインの言う「はるかかなたの演奏者」は、きっと、同じ存在なのです。
将棋の天才と、物理学の天才が見た、同じ存在。同じ「何か」。
・・うまく言えないのですが、きっと羽生さんは、その「何か」の正体を、ふと、見てしまった人なのだ。と、思いました。
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すかさず「この記事面白い!」と思いました!
本の内容ももちろんですが、他の書籍から類似性のある事柄をひっぱってきたことがより理解を深めました。
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お邪魔しました!
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内容がマニアックと言われることもありますが・・。マニア道を極めてみるのも悪くないかな〜・・なんて・・。(・・。)